街区公園デザイン〜自然図書公園〜
今回は、高校の時の作品を紹介したいと思います。
私は農業系の高校に通っていて、中でも造園を学ぶ学科だったので、庭園を作る上での技術や知識、歴史などを学んでいました。
今回紹介する作品は、高校3年の約1年間をかけて授業内で制作した街区公園*のデザインで、ありがたくも学年代表としてコンクールにも出品させていただきました。
*街区公園:主として街区内に居住する者の利用に供することを目的とする公園。誘致距離250mの範囲内で、1か所当たり面積0.25haを標準として配置する。
(街区=街路などによって四角く分けられた一つの区画のこと。都市計画などの現場で一つの単位として使われる。)
この街区公園は、今では子どもたちの触れる機会が限られてくる「本」と「自然」をテーマに、公園全体でさまざまな人たちが自然の中での読書や遊戯、散歩などを楽しむことで、遊びと学びが共存し、本がより身近になる公園をコンセプトに設計しました。
①ツリーハウス
公園の中心に正円形のツリーハウスを設計し、そこから外側に伸びるようにアスレチックや滑り台などの遊具施設へ誘導する通路を空中に設けました。
中心から通路によって公園内のさまざまな施設へ誘導されることにより、通路を通る子供達や親子連れのコミュニケーションを活性化させる狙いがあリます。
また、ツリーハウス・空中といった童心をくすぐる要素を取り入れることで遊びへのワクワク感を助長させたり、大きな樹木の幹に触れることで五感的な教育に繋げるなどの効果も考えて設計しました。
②本棚
さまざまな種類の樹木や草花、池に生息する生き物を観察しながら、公園内に本棚を設置することで図鑑や絵本を自由に取ることができるため、学習材料がある中で自然について学ぶことができます。
また、公園内に二か所、本を自由に置いて行ったり持って行けるリサイクルボックスを設置することで、環境に配慮した再使用や住民同士のコミュニケーションを促す効果も考えました。
③図書館ドーム
平面図右上にある雫型の建物が、図書館ドームと言って読書や勉強、友達とのゲームや待ち合わせなど図書館的な屋内の憩いの場としての役割があります。
基本的には古代ローマの劇場のような階段で構成された作りになっていますが、スロープやエレベーターを使うことで、車椅子の人も利用できるバリアフリーのデザインになっています。
④園路
公園全体を園路がぐるりと取り囲むように巡っていることで、散策の際に四季折々の樹木を楽しめるようになっています。また、今回は立面図で公園を真上から見た時に曲線が美しい見た目になるように園路の形を作りました。
この作品は、「本」と「自然」をテーマにしていると同時に、近年の「子供の居場所」としての公園が減少傾向にあるように感じたことから設計した公園で、子供達やその他利用者の家庭や学校以外の憩いの場としても使われるといいなと考えて設計・制作に取り組みました。
この作品からは、誰のために設計するのか、どのように使われて欲しいか、環境面やバリアフリーの面での設計の仕方などを学ぶことができたと思います。
制作期間のラストスパートが大晦日ギリギリで大変だった記憶もありますが、無事入賞することができたのでよかったです。
最近は課題が忙しくて高校の頃学んだことも忘れかけていましたが、高校で学んだことも活かしていけるようなデザインができるようになりたいと思います!
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